top of page

【2023年06月06日】給与の領収書と印紙税

[相談]

 私は昨年起業し、業績が好調であったことから、このたび従業員に初めての賞与を支給することにしました。 当社では、毎月の給与については、個々の従業員の同意を得た上で従業員本人名義の預金口座に振り込んでいるのですが、賞与については、私が従業員に直接感謝の気持ちを伝えたいという思いから、現金手渡しで支給したいと考えています。 その際、賞与支払いの事実を証するため、従業員にその受取りについての領収書を書いてもらい、会社でこれを保管しようと考えています。 そこでお聞きしたいのですが、その賞与の領収書に印紙の貼付は必要なのでしょうか。教えてください。


[回答]

 ご相談の領収書については、印紙の貼付は不要です。


[解説]

1.領収書(受取書)に対する印紙税の課税関係の概要

 印紙税法では、①売上代金に係る金銭又は有価証券の受取書、②金銭又は有価証券の受取書で①の受取書以外の受取書については、原則として印紙税を課税すると定められています。

 ただし、金銭等の受領の事実を証明する目的で作成する文書(受取書)であっても、次のような受取書については、印紙税は非課税とされています。

① 記載された受取金額が5万円未満の受取書

営業(会社以外の法人で、法令の規定又は定款の定めにより利益金又は剰余金の配当又は分配をすることができることとなっているものが、その出資者以外の者に対して行う事業を含み、その出資者がその出資をした法人に対して行う営業を除きます)に関しない受取書

③ 有価証券等の特定の文書に追記した受取書

2.従業員が給与の受取りについて作成する領収書の取扱い

 今回のご相談の場合のように、会社から従業員に給与を支払う際に、その給与の受領の事実を証明する目的で従業員が作成する受取書(領収書)については、従業員は給与所得者であり、印紙税法上の営業者に該当しないことから、その受取書は上記1.②の「営業に関しない受取書」に該当するものとして取り扱われています。 したがって、従業員が給与の受取りについて作成する領収書については、印紙税は非課税となります。

[参考]印法別表第一など


※文書作成日時点での法令に基づく内容となっております。

 本情報の転載および著作権法に定められた条件以外の複製等を禁じます。


最新記事

すべて表示

【2024年05月21日】月次減税の対象者に育児休業者は含まれるか

[相談] 私は会社で給与計算を担当しています。 今年(令和6年)実施される所得税の定額減税(月次減税)については、令和6年6月1日現在で当社に勤務している従業員のうち、当社に扶養控除等申告書を提出している居住者である従業員のみがその対象となると理解しております。 そこでお聞...

【2024年05月14日】市町村が実施する障害者相談支援事業の委託料についての消費税の取扱い

[相談] 私は会社で給与計算を担当しています。 今年(令和6年)実施される所得税の定額減税(月次減税)については、令和6年6月1日現在で当社に勤務している従業員のうち、当社に扶養控除等申告書を提出している居住者である従業員のみがその対象となると理解しております。 そこでお聞...

【2024年05月07日】令和6年に生まれた子の定額減税の取扱い

[相談] 私は会社で給与計算を担当しています。 今年(令和6年)3月に当社の従業員に子が生まれ、その従業員から、その子を自身の税法上の扶養親族とする旨の申告がありました。 そこでお聞きしたいのですが、今年実施される所得税と個人住民税の定額減税について、上記の子は、その従業員...

Comments


bottom of page